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議会報告 

平成30年9月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
若井 のりかず

QQ 質問

高齢者施策について

次に高齢者施策についてお伺いを致します。

3点について伺います。

1点目は元気高齢者の活躍の場の拡大についてです。

 元気な高齢世代が社会参加や社会的役割を持つことによる生きがいづくりの支援を進めること、そして地域活動の担い手として活躍する場を拡大していく必要があると考えます。
シルバー人材センターでは、元気高齢者の就業機会の確保や提供を行なっておりますが、昨年度10月から開始している「介護施設お助け隊」の現状を伺います。
また、来年4月の労働者派遣事業の開始に向け、どのような準備を進めているのか伺います。

2点目はサービス付き高齢者向け住宅の整備についてです。

 国は高齢社会対策大綱にあるサービス付き高齢者向け住宅の整備を掲げておりますが、文京区での見解を伺います。例えば、サービス付き高齢者向け住宅を拡充している「銀木犀」という事業者では、人々が暮らす住宅として、認知症のある方、介護が必要な方、終末期の方など様々な人やペットも一緒に暮らしています。
地域交流の取り組みとして一階に駄菓子屋を設置し、そこでは近隣の高齢者が販売をしながら交流を広げています。
毎日15時から16時まで近所の子供達が遊びに来て、賑やかな憩いの場として提供しております。
サービス付き高齢者向け住宅は、外部の介護サービスや医療サービスとの連携があらかじめ組み込まれています。
いわば「介護と医療サポートのある自宅」と考えられます。
このような事例を参考にして今後の取組みを要望いたしますが区長のご見解をお伺い致します。

3点目は高齢者肺炎球菌ワクチンの救済措置の必要性についてです。

 平成26年度から始まった肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5年間で65歳以上の全ての高齢者をカバーする経過措置を設け、65歳以上の全ての対象者に接種の機会が平等に与えられました。
しかしながら、国が報告している定期接種の接種率は37.8%にとどまっており、定期接種を利用していない人が多いのが現状です。
文京区では受診率向上のために個別通知による受診勧奨を行なっていますが、それでも経過措置の制度がわかりにくいため「5年後にまた接種のチャンスがある」と勘違いされている方も多くいらっしゃるとおもわれます。
そこで文京区における平成26度から29年度の定期接種対象者数と接種者の接種率を伺います。

 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会の報告書では、65歳の方全員に高齢者肺炎球菌ワクチンを接種することで1年あたり5,115億円の医療費削減効果があると試算されております。
この試算を文京区の65歳人口に当てはめてみるとどれくらいの削減効果になると思われますか。
また仮にこのデータを元に、本区の未接種者の10%が接種したらどれくらいの削減効果があると考えられますか、お伺いいたします。

 高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種制度は、高齢者の肺炎予防とワクチン接種による肺炎の医療費削減が期待され国が導入したものだと思います。
接種率を上げて肺炎を予防することは、文京区の高齢者の健康寿命の延伸に繋がるだけでなく区の国保医療費の削減に寄与できると考えられます。

 そこで接種できなかった区民を救うための対策として、本区で独自の助成を継続し救済措置を取るべきではないでしょうか。
また、継続できない場合は、年度内に助成制度の終了通知を、定期接種未接種・独自助成未接種者に送るべきではないでしょうか。
本区のお考えをお伺いします。

AA 答弁

区長 次に、高齢者施策に関するご質問にお答えします。

 まず、介護施設お助け隊事業についてのお尋ねですが、
現在、22人の会員が所属しており、区内5か所の特別養護老人ホームにおいて、食事の配下膳や見守り、シーツ交換などの業務を請け負っております。
従事する会員からやりがいを感じるとの声があるとともに、施設からは、入居者の直接介護などの業務に職員が専念できると評価いただいております。

 次に、労働者派遣事業に向けた準備状況についてのお尋ねですが、
シルバー人材センターでは、来年4月からの派遣事業開始に向け、事業計画を策定し、派遣事業所としての届出準備を進めております。今後は、会員向け説明会や研修の開催を予定しているところです。
また、就業先の開拓も積極的に行っており、今後とも、これまで以上に幅広い事業を展開できるよう、支援してまいります。

 次に、サービス付き高齢者向け住宅についてのお尋ねですが、
サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認や生活相談のサービスの提供が義務付けられていますが、食事の提供や、外部の介護サービスとの連携等については運営事業者にゆだねられております。
地価の高い都心部などでは、入居者負担が高額になることから、供給が進みにくい状況や、供給されても入居者が集まりにくい事例など、いくつかの課題が指摘されております。
「文京すまいるプロジェクト」においても、安否確認及び生活相談について、同様のサービスを提供しており、引き続き、民間賃貸住宅を活用し、高齢者の住まいの確保に努めてまいります。
なお、住宅における地域交流の場については、居住支援協議会で議論してまいります。

 次に、高齢者用肺炎球菌ワクチンについてのお尋ねですが、
定期予防接種の接種対象者と接種率については、平成26年度は8,446人で33.8%、27年度は8,231人で29.2%、28年度は8,695人で34.0%、29年度は9,158人で33.2%となっております。
なお、過去に接種したことがある方は、実績には含まれておりません。
また、医療費削減効果については、国の報告書に基づき、区の65歳人口に当てはめて試算しますと、年、約5億4,000万円となります。
なお、区の未接種者の10%が接種した場合については、未接種者の人数が不明であり、削減効果を算出することは困難となっております。
区独自の助成制度については、任意接種を希望する方が想定されること等から、事業の継続について検討してまいります。
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