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令和2年9月定例議会 一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
田中 かすみ

QQ 質問

広報戦略と行政のデジタル化について

最後に、区の広報戦略と行政のデジタル化についてお伺いします。

公明党は、6月30日に行った「骨太の方針」に関する提言の中で、社会全体へのデジタル化のための集中投資を求めました。それは「新たな日常」を構築する中で、「今こそ国民の暮らしを豊かにする絶好の好機」と捉えているからであります。

国では本年7月17日、IT新戦略(=世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画)を改定しました。この中では、コロナ禍を経験した我が国において、社会全体が様々な分野で迅速かつ強力にデジタル化を進める必要があると明記されております。
公明党はこの国の計画を評価すると共に、しっかりと議論を深めて政策実現まで推進したいと思います。

文京区におきましては、平成30年6月15日に閣議決定された「IT新戦略」を踏まえ、平成31年に「文京区ICT推進ビジョン」を策定し、様々な施策を実施して参りました。公明党もこのビジョンを推進。様々な施策が実現して、行政の効率化や区民の利便性の向上などに貢献してきたことを評価しています。

初めに、この「推進ビジョン」に基づいて実施されてきた施策をどう評価されているか。成果・課題は何か。又、国が設定したKPIに基づき、本区における更なる実施すべき分野は何か、伺います。

次に、今後の取り組みについてです。

今回、国のIT新戦略が改定された背景には、急速に変化する社会に対応する必要があったからと言えます。大きな理由は新型コロナウイルス感染症の拡大です。同時に、インターネット、スマートフォン、SNSの利用者の増加があります。

総務省の令和2年5月の調査発表によれば、インターネットの利用状況は89.8%となっており、特に6−12歳、60歳以上の利用が10ポイント以上伸びています。

又、個人のスマートフォンの保有状況は67.6%となっており前年度より2.9%伸びています。世帯でみると83.4%となり、4.2%伸びています。

SNSの利用者は、9ポイント増加の69%となっており、特に60代70代80代の伸び率は、それぞれ13.1%、17.1%、25.9%となっています。高齢者の利用が大きく伸びていることは注目されます。

このようなインターネット、スマートフォン、SNSの利用者の増加は、注意すべき社会の変化といえます。本区における状況も同様な傾向と考え、今後更なるICT活用の拡充も必要と考え、4点にわたり区の見解を伺います。

1.区のホームページは刷新して、電子申請利用可能手続きを拡充し、申請、決済、入手までオンライン上で完結させる。

2.区の広報活動は、SNSの活用を整理・拡充するべき。例えば、利用者が希望するSNSを登録して、希望する分野の新しい情報がプッシュ型で届くように整備する。

3.デジタルデバイド解消のため、相談窓口の設置や、訪問支援員の派遣などを整備する。

4.デジタル化の取り組みを強化するため、組織を強化する。

行政のデジタル化が非常に進んでいるデンマークなど北欧諸国は生活満足度も高いと言われています。本区も、区民から、生活が豊かになった、便利になったと満足していただけるデジタル化、人に優しいデジタル化の取り組みを推進していただきたいです。

以上で質問を終わります。ご静聴、誠に有難うございました。

AA 答弁

区長  最後に、行政のデジタル化等に関するご質問にお答えします。

 まず、「ICT推進ビジョン」の成果と課題等についてのお尋ねですが、

 本区では、「ICT推進ビジョン」に基づき、電子申請の拡大、チャットボットの導入、公衆無線LANの整備等、時代に即した便利な区民サービスを提供してまいりました。
 また、RPAやAI-OCR、AIを活用した議事録作成ツールの運用を開始するなど、業務改善や事務の効率化にも取り組んでおります。特に、RPAについては、平成30年度の6業務から、本年8月末時点では36業務まで拡大いたしました。
 今後も、電子申請やRPA等を拡大するとともに、急速なICTの進展に対応し、先進的技術を積極的に導入していくことが必要と考えております。
 引き続き、区民生活がより一層便利になる行政サービスの提供方法について、特定の分野に捉われず、検討してまいります。

 次に、ホームページについてのお尋ねですが、

 区ホームページは、アクセシビリティへの配慮や、操作性の向上により、利用者アンケートにおいて、おおむね良好な評価を得ております。
 機能面でも全面リニューアルが直ちに必要となる喫緊の課題もないことから、現時点で全面的なリニューアルを行う予定はありませんが、今後のICTの進展や行政手続きのデジタル化等の状況を踏まえ、適切な時期にリニューアルが行えるよう、情報収集に努めてまいります。

 次に、電子申請についてのお尋ねですが、

 行政手続きのオンライン化に対する区民ニーズは依然として高く、また、感染症対策の観点からも、来庁せずに各種手続きがインターネット上で完結する環境の整備を進めていくことは、重要であると認識しております。
 本区の昨年度の電子申請利用実績は約 2万3千件で、23区中第2位と多くの区民に利用されており、そのうち、子育て関連の申請が約1万2千件と高い割合を占めております。
 これからの「新しい生活様式」を実現していくために、他自治体や民間企業等の ICTを活用した取り組みを研究していくとともに、多くの利用が見込まれる手続きのオンライン化を積極的に進めてまいります。

 次に、SNSの活用についてのお尋ねですが、

 SNSは、広範囲かつリアルタイムの情報発信が可能であり、ホームページと比較して更新が容易であるという利点もあるため、積極的に活用しているところです。
 現在、区が情報発信に活用しているSNSは、Twitter、Facebook及びLINEの3種類があり、それぞれの特性に応じた運用ポリシーを定め、運用しております。
 発信する情報の内容に応じ、効果的な媒体を用いることで、引き続き、迅速かつ分かりやすい情報発信に努めてまいります。

 次に、デジタル化の推進体制についてのお尋ねですが、

 ご指摘のデジタル化については、新型コロナウイルス感染症がもたらした「社会・価値観の変容」に対応すべく、教育、健康・医療、経済、防災等、様々な分野において、取り組みの強化が求められているものと認識しております。
 先程ご答弁申し上げたとおり、本区においては、「ICT推進ビジョン」に基づく取り組みを着実に実施し、区民サービスの質の向上に努めてきたところですが、今後も行政需要に迅速かつ的確に対応していくため、この機会を変革のチャンスと捉え、全庁的な推進体制の下で、行政のデジタル化への取り組みを進めてまいります。
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