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議会報告 

令和3年6月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
宮本 伸一

QQ 質問

「HSC=とても敏感な子ども」への理解と支援について

 コロナ禍に入り、「HSP=Highly Sensitive Person とても敏感な人」、また、「HSC=Highly Sensitive Child とても敏感な子ども」という言葉を報道等でよく見るようになりました。

 HSP、HSC、とはアメリカの心理学者・エイレン・アーロン氏が提唱して日本では2015年に最初の邦訳がでました。氏の提唱によれば、HSP・HSCには、4つの特徴があると言います。その4つは、①ていねいで深い情報処理を行う、②過剰に刺激を受けやすい、③感情の反応が強く、特に共感力が強い、④ささいな刺激にも反応する、という内容です。

 コロナ禍を受けて、不安の多い社会になり、HSP・HSCにとってはより不安を大きくする機会が増えていることになり、不調を覚える方が増えているという報道があります。

 私の身近な人の中でも、コロナ禍で不調を覚えていたところ、HSPの事を知り、その特性が自分の性格によくあてはまることが分かると、自分を客観視でき、不調を緩和できたと言われる方がおられました。

 HSCについて詳しい、真生会富山病院(しんせいかいとやまびょういん)診療内科部長の明橋大二(あけはしだいじ)氏によると、「HSCを知ることは、特に子どもと関わる教師や支援者にとって、発達障がいと同じくらい重要な意味をもっている」と言われています。

 また、「だいたい5人に1人がHSCであると考えられる」、「発達障がいと異なる特徴で、人の気持ちが分かりすぎるくらい分かる、そのため学校でも他の子どもが辛い思いをしているのを自分のことのように感じて心を痛めたりする」という現場での状況を説明されています。

 HSC自体は障がいや病名でなく、あくまでも心理的な概念であり、医療関係者における認知度は低い実情があります。

 しかしながら、学校現場のなかでそうした子どもがいないか実態を掌握し、必要な理解と支援を検討することが必要と考えます。区の見解をお伺いします。

AA 答弁

区長  はじめに、「SOSの出し方教育」についてのお尋ねですが、

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため様々な活動に制限がかかる中、子どもたちは、不安やストレスを抱えており、その解消は重要な課題と認識しております。
 小・中学校では、都教育委員会作成の「SOSの出し方に関する」DVD教材を活用、または、参考とした授業を実施しております。
 また、発達段階に応じて、不安や悩みを抱えたとき助けを求めることの大切さや、その方法を理解できるように伝え、相談窓口や、連絡先の一覧を渡しております。
 今後も、校内研修等を通して、「SOS」の受け止め方を学ぶ機会を設け、教職員の対応力向上に努めてまいります。


 次に、HSC「とても敏感な子ども」についてのお尋ねですが、

 学校では、アンケート調査や、スクールカウンセラーとの面談、生活日誌の活用などにより、児童・生徒の状況を把握し、個に応じた支援を行っております。HSCの児童・生徒についても、これらの取組みのなかで把握してまいります。
 HSCの児童・生徒にとっても過ごしやすい学校環境となるよう、校内研修等を通して、教職員のHSCに対する理解を深めてまいります。
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