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議会報告 

平成27年9月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
若井 のりかず

QQ 質問

区民の健康対策について

次に区民の健康対策についてお伺いを致します。

始めにピロリ菌の検査費用の助成制度についてお伺い致します。
ピロリ菌は正式名を「ヘリコバクター・ピロリ」と言い、胃の粘膜に棲みつき、胃がんや胃潰瘍などの発生原因といわれています。
日本では毎年約12万人が胃がんと診断され、約5万人の方が亡くなられています。
日本人の二人に一人はピロリ菌に感染しているとされ、胃がんの人はほとんど感染しているといわれています。

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌が出す毒素により、胃の粘膜に炎症を起こし、それが長く続くと慢性の胃炎になり、様々な胃の病気が発症すると言われています。
胃潰瘍の70%、十二指腸潰瘍の90%の原因がこのピロリ菌といわれ、若い人で2割、50歳代からは7~8割の人が感染しているそうです。
ピロリ菌に感染している人が、必ず胃の病気になるわけではありませんが、リスクは常にあると言われています。

2013年にピロリ菌の除菌により、胃がんの発症を大きく抑制できるということで、慢性胃炎や胃潰瘍などの治療の一環であれば、ピロリ菌の検査・除菌に保険の適用が拡大されました。
しかし、ピロリ菌の早期検査・除菌こそが胃がん予防に極めて重要であり、ピロリ菌の感染の有無を調べるだけでは、全額自己負担になってしまいます。
本区は、区民の健康増進のために、様々ながん検診の充実を図っているところではありますが、胃がんを発症してから、ピロリ菌を除菌しても間に合わないので、早期の検査が必要と考えます。

今後、ピロリ菌検査費用の助成制度導入や、今行っている胃がん検査にピロリ菌検査も導入するなど提案致しますがご見解をお伺い致します。

次に肺炎球菌ワクチンの定期接種について伺います。
成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種について公明党は、2009年にワクチンの早期承認を厚労省に要望、そして2013年に定期接種化を訴え、2014年10月より定期接種化が実現した経緯があります。
この制度では、今までこのワクチンを接種したことがない方を対象に、平成30年度までの間に1人一回、定期接種の機会を設けました。65歳から100歳まで5年刻みで周知されています。
この制度により、文京区での効果はどのように伸びているのか、又目標に対しての成果を伺います。

更に、任意接種から定期接種に移行することにあたりどのような配慮をされ、周知をされたのでしょうか、お伺いします。

本区も昨年の10月にスタートして高齢者への周知の漏れの無いようにご努力されたことと思います。
区民の皆さまへの情報提供という点では、定期接種の対象となる期限が3月31日であること、機会は5年ごとではなく1人一回であることはしっかりと伝えていかなければなりません。まだまだ肺炎球菌ワクチンそのものをご存じない方も多いので啓発も必要です。
医療機関の先生方にも患者さんへの啓発をお願いすることや、更に接種漏れの方には再通知を送付することが重要と考えます。

健康寿命を延ばす取り組みとして、定期接種率の向上を期待しておりますが、今後の取り組みを伺います。

高齢者の認知症対策に関しては、今年度の重点施策となる認知症ケアパスの作成に伴う認知症に関する高齢者の実態調査を行いました。報告書が出来上がりましたがそこから見えてきた調査の結果、今後の課題を伺います。

AA 答弁

区長 次に、健康対策に関するご質問にお答えします。

まず、ピロリ菌検査についてのお尋ねですが、
本区では、国の指針に定められた科学的根拠に基づくがん検診を実施しております。
ピロリ菌検査については、リスク分類や血清検査でのカットオフイ直の設定等に関し、胃がんのリスク検査としては、未だ検証が続けられているものと認識しており、現時点で助成制度の導入は考えておりません。
また、直近の国立がん研究センターの胃がん検診ガイドラインにおいても、同検査が対策型検診として推奨されていないため、区のがん検診として実施することも現段階では考えておりません。
今後も、国等でのピロリ菌検査による胃がんリスク検診の動向について注視してまいります。

次に、肺炎球菌ワクチンの定期接種制度による効果等についてのお尋ねですが、任意接種事業の開始前に既に接種された方もいるため、目標値として接種率を設定することはできませんが、任意接種であった平成25年度の接種実績が689.件であるのに対し、昨年度は定期接種の件数が2,853件にのぼり、定期接種化による効果は大きいものと考えております。

次に、任意接種から定期接種に移行する際の配慮及び周知についてのお尋ねですが、対象の方への個別通知や、区報・ホームページへの掲載により、広く周知を図りました。その際、制度が複雑になったことを踏まえ、対象者や注意事項の説明をより丁寧に行いました。
さらに、事業開始前には、医療機関を対象とした説明会を実施し、医療機関においても正しくご案内していただけるよう制度の周知に努めてきたところです。

次に、接種率の向上を目指した今後の取り組みについてのお尋ねですが、新たに接種対象となる方へ個別に案内を送付することで、接種しやすい環境を整えるとともに、任意接種事業を引き続き実施することで、5歳刻みの狭間の年齢の方や、未接種の方に対する接種機会を確保し、全体として接種率向上を目指してまいります。

次に、高齢者の認知症対策に関するご質問にお答えします。
まず、認知症に関する高齢者実態調査の結果と今後の課題についてのお尋ねですが、認知症に関する知識の取得方法については、テレビや新聞が大きな割合を占める結果となりました。

今後は、身近な相談窓口として、高齢者あんしん相談センターや認知症サポート医、認知症疾患医療センター等をさらに周知していくことが必要であると考えております。
また、近所付き合いについては、挨拶程度と回答している方が5割近くとなっており、身体機能の低下とともに社会参加が減少し、社会的孤立を招く可能性があります。
こうしたことから、社会との繋がりが切れないよう、地域資源を活用し、気軽に立ち寄れる場所の提供や見守り、声かけなどを推進する必要があると考えております。

今後、「認知症ケアパス検討専門部会」において、認知症重症度別のクロス集計の結果も踏まえ、専門職、地域の方々、認知症介護者の方などからご意見をいただき、認知症ケアパス作成につなげてまいります。
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