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議会報告 

令和4年6月定例会議一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
田中 かすみ

QQ 質問

女性のがん治療支援と健康支援について

 最後に、仕事と治療の両立を応援するための女性のがん治療支援と健康支援について伺います。

 唐突ですが、私は今、医療用ウィッグをつけています。
 本区の乳がん検診で腫瘍が見つかり、昨年12月から8回の抗がん剤治療を受けました。副作用の脱毛は免れることはありませんでしたが、文京区のウィッグ購入費用助成事業を活用し、こうして装着、外出や仕事も続けられる喜びを実感しています。経済的な負担感が減っただけでなく、「仕事と治療の両立は大変ですが、頑張ってくださいね」と励ましを受けたように感じ、この事業の必要性を改めて実感しました。

 会派として「がん治療と仕事の両立支援を」と推進する中で実現したウィッグ助成について、多くの方に活用していただきたいです。周知に対する取り組みと実績について伺います。

 また、本事業の拡充も要望するところです。具体的には、胸部補整具等も項目に追加していただきたいと思いますが、見解を伺います。

 今回、自身の経験をお伝えすると、実は私も経験したんです、と打ち明けられる方が何人もいらっしゃいました。今や乳がん・子宮頸がん等は、若い世代にも多く見られるため、しっかり検診を受けてもらうことが大切です。女性のがん検診受診率は4割程度と言われていますが、受けているのは「いつも同じ人」であることが多く、あとの6割の方はずっと受けていないとの指摘があります。
 こうした「がん検診を受けない層」の啓発に力を入れる必要がありますが、区の見解を伺います。
 経験者からは、日頃からセルフチェックをして、変化に気づいた、との声もいただきました。「ブレスト・アウェアネス」です。これは、乳房の自己触診ではありません。
 自己触診は、「探す、検査する、診断する」という意味合いがあり、一般女性には荷が重く、正確に実践できる女性も少ないと言われますが、「ブレスト・アウェアネス」は、普段の乳房と変わりがないかという気持ちで気軽に「乳房チェック」をする生活習慣です。
 忙しい女性が多い現代にとって、こういった取り入れやすい習慣を定着させ、受診の促進や早期発見早期治療につなげることは重要と考えます。ぜひ本区においても広報していただきたいですが、見解を伺います。

 私は、この経験をいかし、がん治療と闘う方々の支援策実現のため、一層取り組んでいく所存です。

 子宮体がんを経験した方が言われていたことも印象的でした。がんが発覚した際、医師から「あなたの生理は正常ではなかった。」との指摘にびっくり。生理に対し知っているようで知らないことが多かったとのこと。
 また、我慢できたので誰にも相談することがなかった、との声も聞かれました。

 昨年3月、我が会派が区長に提出した「コロナ禍における女性の負担軽減に関する緊急要望」でも、女性の健康週間の充実や生理をテーマにした講演会や学校教育等、生理の正しい知識の情報提供の実施、生理用品の無償配布への取り組み、相談体制の強化など要望してきました。
 これらの要望に対する区の取り組みについて伺います。

 重点施策の「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」の大切さを若い世代が同世代へ伝える、「ピア・アクティビスト」の育成とその普及啓発はまさに大事な事業と考えています。性暴力や性被害を未然に防ぐ環境の整備をどのように構築していくのか、見解を伺います。

 以上で質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。

AA 答弁

区長  次に、がん患者ウィッグ購入等費用助成事業等についてのお尋ねですが、

 本事業の周知については、区報、区ホームページ、SNSを活用するほか、区有施設、地区医師会、区内医療機関をはじめ、都内のがん相談支援センター、ウィッグ取扱い事業者等へリーフレットの配架とポスターの掲示を依頼しております。
 費用助成の実績は、令和2年度が73件、3年度が96件でした。
 外見の変化を伴うがん治療中の方の社会参加を支援する取組みは重要であると認識しており、ウィッグ以外のアピアランスケアについても今後、検討してまいります。

 次に、がん検診を受けない層への啓発についてのお尋ねですが、

 がん検診については、特定健康診査対象者に配付する案内に、区のがん検診の概要と実施医療機関を掲載した受診案内を同封し、周知を行っております。また、子宮、乳、胃内視鏡のがん検診対象者への無料受診券の送付による受診勧奨や、がん検診対象者への再勧奨などにより、受診率の向上に努めております。
 昨年度は、がんを予防する健康習慣や区のがん検診を紹介する番組をCATVで放映し、区公式YouTubeでも配信するなど、若い世代も対象とした啓発を行っております。
 今後も、より一層の周知・啓発に努めてまいります。

 次に、「ブレスト・アウェアネス」の広報についてのお尋ねですが、

 乳がんの早期発見には、がん検診の受診や自己触診の実施が有効ですが、ご指摘の通り日頃から自身の身体の状態に関心を持ち、変化に早く気づくことも重要であると認識しております。
 乳がんの早期発見のための取組みとして、日常的に自身の乳房の状態を意識する「ブレスト・アウェアネス」について、今後、周知に努めてまいります。

 次に、女性の健康支援等についてのお尋ねですが、

 女性の健康週間では、女性のライフステージと健康について関心を持つ機会となるよう、区報や区ホームページでの啓発に加え、区有施設等においてパネルの展示を行っております。今後、区民が女性特有の健康課題について学べる機会を増やしてまいります。
 また、生理の正しい知識を学ぶ機会については、小・中学校において、年齢に伴う変化や個人差、異性への理解や適切な態度を身に付けられるよう指導しているところです。
 生理用品の無償配布については、中学校において、バリアフリートイレや一部の個室トイレで常備を進めており、庁舎内においても、生理用品無料配布システムの設置に向けて、事業者と協議しているところです。
 なお、相談体制の強化については、学校では、養護教諭やスクールカウンセラー等を始めとした、様々な立場の大人に相談することができる環境を整えており、男女平等センターでは、来所の相談だけでなく、SNSなども活用し、幅広く相談等を受け付けているところです。

 最後に、性暴力や性被害を未然に防ぐ環境の整備についてのお尋ねですが、

 新型コロナウイルス感染症の影響やインターネットやSNS等の誤った情報による性暴力や性被害等から、若い女性等を守るための取組は重要であると認識しております。
 そのため、区では今年度から、若い世代から同世代へ性や生殖に関する健康と権利の大切さを伝える「ピア・アクティビスト育成事業」を実施し、自ら行動し、自身の身を守ることができる若い世代を増やすための取組を始めました。
 また、オレンジデーキャンペーンやカラーリボンフェスタ等の事業を通じて、引き続き、様々な暴力の防止に向けた周知・啓発を行ってまいります。
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